

シーズン7以降、あまりにも救われない&進まない展開のために急激にファンの心が離れているウォーキング・デッド。私も、シーズン7とシーズン8は、イライラしながら見守っていました。
今回、シーズン8がようやく最終話を迎えた訳ですが、振り返って見ると、内容の薄いシーズンであったことは否めないと思います。
そこで、この記事では、ウォーキング・デッドのシーズン8をざっくりとまとめたうえで、感想を述べたいと思います。
もくじ
ウォーキング・デッド シーズン8 第1話~第15話までのあらすじ要点
リック率いるアレキサンドリアは、ヒルトップとキングダムを巻き込んで、サンクチュアリへの反撃を開始。
ドワイトがスパイとなってリック達に情報を流す。
キングダムのエゼキエル達は、初めこそ調子よく救世主たちを殺していたが、形勢逆転。エゼキエルとジェリー以外は皆殺しにされてしまう。虎のシヴァも死亡。
形勢が不利になったため、リックはジェイディス率いる清掃人グループのところに行き、再度仲間となって戦うよう交渉。説得に成功するも、サンクチュアリはすでにもぬけの殻。
カールはガソリンスタンドでセディクという研修医を助けた際に、ウォーカーに噛まれて唐突に死亡。
死ぬ前に、リックとニーガンに手紙を書き、争いをやめて和平を結ぶことを望む。
サンクチュアリのサイモンは、リックの誘いに乗って裏切った清掃人達を皆殺しにする。
ついでにニーガンを裏切ろうとしたところ、ドワイトに密告されたため、逆にニーガンに殺される。
ドワイトの裏切りもニーガンにばれており、そのせいでリックたちはニーガンの術中にはまる。

ウォーキング・デッド シーズン8 第1話~第15話までの感想(不満)
さすがに2シーズン続けて不毛な争いを見せられると、制作陣に対して腹が立ってきました。戦いを長引かせ、なんとなく視聴者にニーガンを受け入れさせて、最終的に感動の和解に持っていくということが制作陣の狙いなら、私には効果なかったようです。
シーズン7では初っぱなから大好きなグレンとエイブラハムを殺され、シーズン8ではシヴァとカールを殺され、味のあるキャラで好きだったユージーンを裏切り者にされ…。
ただでさえ皆が愛着を持っているキャラが殺されていくのに(そして、ジェイディスとかエゼキエルといった新しいキャラに愛着が沸かないのに)、このタイミングで皆が好きだったユージーンをリアル・ゴミ人間に仕立て上げてどうする。。。
ロジータがユージーンに向けて発砲するところなんか、見たくありませんでした。
と思えば、サイモンとニーガンには決闘をさせるし。あの2人が素手で殴り合ってたって、どっちが死んでもいいのに(何ならどっちも死んでもいいのに)、全然ハラハラしませんて。
マギーはここ2シーズン、ずーっと仏頂面で偉そうにしてるだけだし、
ダリルはどんどん存在感が薄れてくるし、ミショーンの勇ましさもリックとイチャこいてるせいで薄まってしまったし、
モーガンはいよいよ宇宙と交信を始めたし…。
従来大好きだったキャラまで、どうでもよくなってしまいそうなのに、ここに来て、また変なクソガキを登場させて話をややこしくせんでいい。アイツは伝説のジェシーのアホ息子「マァム…」の再来か?
あとね、ウォーカー要素が足りません。奇抜なウォーカーはちょこちょこ出てきますが、そうじゃないの。
ウォーキング・デッドの基本は、家族も、死んでしまうとウォーカーになってしまうというあの悲しみです。あれが、深い感動を与えるのです。
それはもう、シーズン1で、モーガンの奥さんがウォーカーになってノックしてきた時から、ずっと。
アレキサンドリアを率いていたディアナがウォーカーになって彷徨っていた時なんか、ずっとディアナを探していた息子の気持ちを思って3秒で号泣したものです。
なのに、シーズン8では、ジェイディスがウォーカーになった仲間を粉砕機でミンチにしてしまいました。
何年も共に暮らした仲間を、あんな風に雑に処理させるなんて。ウォーカーになる悲しみが全然生かせてないどころか、ウォーカーになったら元仲間もゴミみたいな扱い。
ああいう演出って、衝撃は受けますが心に響かないのです。
シーズン7と8は全体としてそんな感じ。びっくりするシーンや、新鮮なシーンはあるけど「あっそう」で終わってしまう浅いものしかありませんでした。
シーズン9の制作が決定しているウォーキング・デッドですが、当初の精彩を欠いていることは否めません。ここから持ち直すのは、無理でしょう。
HBOの「ウエストワールド」が完成度を上げて勢いを付けてきたし、他にも「THIS IS US 36歳、これから」「ハンドメイズ・テイル」などといった良いドラマが増えてきました。
寂しいけれど、ウォーキング・デッドはシーズン10くらいで終了かなぁ…と予想しています。そういう意味では、シーズン8まで全然質が落ちない「ゲーム・オブ・スローンズ」はすごいですね。

ウォーキング・デッド シーズン8 第16話 あらすじ
リックたちアレキサンドリア・チームは、ニーガンの術中にはまったまま、決戦場所となる野っ原へ。身を隠すものがない場所で、銃弾を豊富に持っているニーガン達に囲まれる。
もはやこれまでかと思われた瞬間、ニーガン達の銃が一斉に暴発(ユージーンの策略)。ニーガンも、指が吹っ飛ばされる致命傷を負う。
形勢が逆転したアレキサンドリア・チームは、サンクチュアリ・チームを制圧。リックは、逃げるニーガンを負い、和平を申し入れる。
ニーガンが内心グラついた瞬間、リックがニーガンの喉を切りつける。瀕死となったニーガンだが、リックは、カールの遺言通り、ニーガンを殺さず共存することにする。
一方、解放されたドワイトを許せないダリルは、ドワイトに車を与え、二度と顔を見せるなと行ってアレキサンドリアから追放する。
そのままマギーの所に向かうダリル。すると、ヒルトップでは、グレンの復讐が叶わなかったマギーが、ジーザスと2人、ニーガンを殺すことを計画していた。
ウォーキング・デッド シーズン8 第16話 感想
第16話の、いやシーズン8の一番の見せ場は、どう考えてもあの銃の暴発シーンですが、実は私、最終話を見る直前に、あのシーンを公式のツイッターで見てしまっていました…。
Oops! #TWD pic.twitter.com/fNcOUGOukl
— The Walking Dead AMC (@WalkingDead_AMC) 2018年4月16日
もう台無しもいいとこ。
ウォーキング・デッドには世界中にファンがいるんだから、公式だけは“同時放送”のタイムラグを考慮して欲しいわ…とほほ。
もちろん、ツイッターでこの場面を見た瞬間、「ユージーンだ!」とピンと来ました。
ユージーンを拉致して失敗するシーンとか、何の意味もないと思っていましたが、このどんでん返しのために必要な前振りだったんですね。
いやね、私はごく最近まで、ユージーンは実は裏切っていないと信じていました。だって、ユージーンは確かに卑怯キャラですが、その部分は、グレンが殺される直前に危険なバスの運転を引き受けた時点で浄化されていましたから。
だから、2シーズンにわたってニーガンと行動を共にするのを見せられても、「いや。ユージーンは、いつかやってくれる」と信じていました。
それなのに、第15話で仲間だったロジータが、ユージーンをとっ捕まえて、「殺したいけどその頭脳が必要だから行かしとく。でも、生きてる限りは惨めな目に遭わせてやる。明るい太陽が見られるのは、仕事をする時だけだと思っとけ。この裏切り者が!」みたいなことを言い、さらには発砲しました。
あれでは、ユージーンが隠持っていたアレキサンドリア・チームへの忠誠心も砕けてしまっただろうと思ったのです。
だから、一体何を考えているんだ制作陣!という怒りが沸いてきた訳で。
それが、あのどんでん返し。いやー、ツイッターを先に見ていなければ、立ち上がって拍手しただろうに(涙目)。もうツイッターなんぞ見ない。
海辺の女村の人々も、最後の最後で出てきましたので、「女村とは一体何だったのか」ということにはなりませんでしたね。
ただし、エゼキエル率いるキングダム・チームと、ジェイディス率いる清掃人チームは、やはり「一体何だったのか」状態です。
特に清掃人チームは、誰の役にも立たず、誰の敵にもならず。出てこなくても、ストーリーに何の影響もなかったチームでした。
最後にはまとめてミンチにされ、不憫このうえない。
さて、ニーガンとの対立は最後の最後で見事に決着を見ましたが、そりゃマギーは不満でしょうね。ついでに、シーズン8では存在感のなかったダリルも(ダリルのファンも)そりゃ色々と不満でしょう。でもダリルは少し痩せた方がいい。最強のヒーローであるためにはビジュアルも大事。
いくらなんでも、アレキサンドリアとヒルトップが対立して殺し合うようなことにはならないでしょうが、今後はもうヒルトップとアレキサンドリアが密に交流することはなくなるのかもしれません。
あるいは、そうやって不仲となった後で、どちらかのチームが大ピンチとなり、それを助けることで絆が復活するとか。
そういやマギーはグレンの子を妊娠しているはずですが(リアルに忘れてた)、その出産時期にマギーに訪れた危機をニーガンが助けるくらいのことがないと、マギーはニーガンを許せないでしょう。
もう一つ忘れかけていましたが、ヘリコプターのことも気がかりです。どこかで大きな組織が機能していることを示唆しているのだと思いますが…もしかしたら、ウォーカー菌の撲滅が始まるとか?

余談ですが、ウォーキング・デッドをシーズン1から8まで一気に見た人は、ニーガン騒動の結末にどういう感情を持つのでしょうね。
以前からのファンなら、グレンが殺されてから現実に1年以上経っていますので、ニーガンを許す気持ちにもなれるかもしれません。
ですが、一気に見た人なら、きっとグレンに対する思いがまだ強く残っていますよね。
マギーの反乱は、そういうファンの気持ちを代弁するための設定でしょうか?
いずれにせよ、シーズン9以降のウォーキング・デッドは、この2シーズンとは異なる方向に進むでしょう。また半年、楽しみに待っていたいと思います。