©HBO

Silky

このドラマは2001年に制作されたアメリカのドラマで、第2次世界大戦を主題とするものです。またまた、アメリカの某ランキングサイトで見つけました。

このドラマの評価は、視聴者の評価によれば、ゲーム・オブ・スローンズやウォーキング・デッドを超える★9.5個の高評価となっており、その順位は何と第2位です。

主題が主題だけに、アメリカ人の愛国心をくすぐって評価が底上げされた側面はあると思います。ですが、日本人である私が見ても、まるで上質な映画を続けて10本撮ったかのような、極めて良質なノンフィクション・ドラマだと感じました。

制作された時期は20年近く前ですが、そんな古さは感じさせません。何年経っても色あせない名作ドラマは日本にもありますが、この作品もアメリカではそういう位置づけのようで、だからこそ未だに2位を保っているのでしょうね。

それだけではなく、今となっては主役級の名優たちが数多く出演していますので、今活躍中の俳優が好きな方なら、なおさら楽しめる作品ですよ。

スポンサーリンク

バンド・オブ・ブラザーズを見る前に

ドラマの主人公は、第二次世界大戦時、ヨーロッパの最前線で活躍したE中隊(Easy Company)です。E中隊の隊員一人一人が、各話の主人公となる形で、ノルマンディー上陸作戦から終戦に至るまでを時系列に沿って描いています。

各話の冒頭には、おじいさん達のインタビュー映像が挿入されています。このおじいさん達は、このドラマの主人公となった人たちで、どの人が誰だったのかは、最終話で明かされます。

作戦決行早々に敵に撃たれて死ぬ人、味方をかばって死ぬ人、味方に殺される人、心を病む人、四肢の一部を失う人、色々な人がいますので、自分の好きな人物が死なないことを祈りながらご覧ください。

バンド・オブ・ブラザーズのあらすじと感想(1~5話)

第1話 カラヒー山でのスパルタ訓練

ノルマンディ上陸作戦の2年前。パラシュート部隊のE中隊はカラヒーで厳しい訓練を受けていた。

訓練の指揮をとるのはソベル大尉(David Schwimmer)。ソベルは決して有能な上官ではなかった。それにもかかわらず、他の隊が休みを取る中、E中隊の訓練は休暇返上で続けられる。

ソベルに対する部下の反発は日を負うごとに高まる。その一方で、ソベルの部下であるウィンターズ少尉(すぐに中尉に昇進/Damian Lewis)を含む隊内の結束は、徐々に強まっていった。

そんなある日、不満が爆発したE中隊は一致団結して行動を起こすのだが…。

Silky

第1話はプロローグで、登場人物の紹介を兼ねたものとなっています。

第1話の見所は、(フレンズのロスを演じた役者が演じる)ソベルの鬼っぷりでしょう。フレンズを見た世代なら、初めは「ロスには似合わない配役だな」と感じてしまうのではないでしょうか。笑

ほどなく、ロスにピッタリの配役だと判明しますが、その辺り描き方が秀逸でした。牛が鳴くのんびりとした田舎で行われる実戦訓練。戸惑う、通りがかりのおじいさん、ソベルが率いる小隊(味方)を「ある意味、あれは敵です」と言っちゃうウィンターズ

この辺りの描写は、楽しそうと感じてしまうほどホノボノしていますが、それが、後の戦場とのギャップを引き立たせてるよい効果となっています。

ところで驚いたことが一つ。あの時代、アメリカ軍人には生命保険が用意されていたという事実。第2次世界大戦時代ですよ?日本人が少年にカミカゼやらせていた時代にです。色々な意味で、本当に日本とは違う国だったんですね。

Company(中隊)

このドラマの中で100回以上は耳にする単語が「Easy Company!!」です。字幕では「E中隊」と訳されているこの単語。具体的には何人いて、軍隊のどこに位置する部隊なのか、調べました。

まず軍隊の最小単位は「Squad」です。「」や「分隊」と訳される場合が多いです。7~14名程度の兵士で構成されるユニットで、Sergent(軍曹)などの下士官(通常は非職業軍人)が統率します。

この「Squad」が3~4隊集まったユニットが、次の単位「Platoon」で、「小隊」と訳される場合が多いです。20~50名程度の兵士で構成されており、中尉(first lieutenant)または少尉(second lieutenant)が統率します。

そして「Platoon」が2~4隊集まったユニット=中隊が、Easy Companyの「Company」です。100~250名程度の兵士で構成されており、これを率いるのは大尉(Captain)です。ちなみに、大尉には、大尉の補佐をする曹長(first sergeant)がつきます。

さらに、「Company」が2~5隊集まる「大隊Battalion)」は、中佐が統率し、「Battalion」が3隊集まる「連隊Brigade/Regiment)」は大佐が統率します。

※シリーズ全体の主人公でもあるウィンターズは、ドラマの冒頭では少尉でしたが、訓練期間中に中尉に昇進しています。ちなみに、第1話に登場するソベルは、訓練時はウィンターズの上の位の大尉でした。

なぜ『Easy』?また、中隊にはアルファベット順で中隊名が付きますが、「Easy」は「E」中隊につけられた愛称で、いわば軍隊の中で通じるスラングです。本作ではAからIまで9つの中隊がいますが、A中隊は「Able Company」、F中隊は「First Company(時々 Fu○ks Company 笑)」、D中隊は「Dogs Company」などと呼ばれていました。他にも、調べたところB中隊は「Bravo Company」や「Baker Company」などと呼ばれる場合があるようです。Bakerってパン屋やん。何か平和で強くなさそう。笑

第2話 ノルマンディ上陸作戦の決行(D-day)

ソベルのスパルタ訓練のおかげで、E中隊は最強の中隊となっていた。そんな中、いよいよノルマンディ上陸作戦を決行する時がやってくる。決行前夜、E中隊はパラシュートでノルマンディに降下することになった。しかし、ノルマンディはドイツ軍の占領下にある。E中隊は降下中、ドイツ軍から激しい空中砲火を受け、散り散りとなった。

降下中に武器を失ったウインターズは、地上で出会ったA中隊の兵士ホールと2人、とにかく合流地点を目指すことに。その道中に、降下によって一旦は散り散りになったE中隊が、少しずつウインターズの元に合流する。

やがて大隊に合流したウインターズたち。100人以上はいたE中隊の兵士数は、この時点ですでに12人まで減っていた。ウインターズは、降下作戦中に指揮官を失ったE中隊を率いることになる。E中隊は、すぐさま、連合軍を苦しめるドイツの大砲の撃破を命じられ…。

Silky

第2話の主役はウインターズでしたが、このエピソードには冒頭から引き込まれました。

まず、空中砲火の中、パラシュートで降下する中の映像。暗闇の中に浮かぶ無数の白いパラシュートが、砲撃を受けた飛行機の燃える光に照らされて。不謹慎ですが、ある種幻想的な光景でした。今の戦争はドローン(無人機)でピンポイントに攻撃する方式が主流ですから、こんなパラシュート降下から始まる攻撃は、今後もう無いのでしょうね。

次に、大砲撃破の作戦。たまたまTNT爆弾を持っていたA中隊のホールが、一瞬、活躍できた場面でもありました。死傷者ゼロという訳には行きませんでしたが、作戦自体は本当に見事。ウィンターズの指揮官としての才覚と、部下を思う優しい人格は、まさに「上司にしたい男 No.1」。

他方、D中隊のスピアーズ少尉(Ronald C. Speirs)は、部下を連れてあえて危険な塹壕上を行きます。死を恐れない勇敢さというよりは、本当は死にたいのかと思うくらいの突撃隊長ぶり。捕虜をに対するあの蛮行からして、サイコな匂いがしていましたが。マラーキー(Scott Grimes)と捕虜のやり取りを見て、なんだかホッとした直後だっただけに、心臓が凍りました。

ところでこのスピアーズ。誰か分かりましたか?私は「どこかで絶対に見た顔だ」としか思い出せず。調べてみたら、ゴシップ・ガールのダンとジェニーの父親役の人なんですよ!今はそれなりに年齢を経ているので、全然分かりませんでした。

そういう意味では、20年近く前のドラマにもかかわらず、今もほとんど変わらないダミアン・ルイスやNeal McDonoughは化け物です。

第3話 カランタンでの死闘

E中隊は、進軍中、パラシュート降下以来はぐれてしまっていたブライス二等兵を見つける。敵兵の遺体からチャッカリ戦利品をせしめる他の隊員たちとは異なり、ブライスはこの戦争に順応できないでいた。

そんな中、E中隊は、F中隊と共にドイツ軍が占拠するカランタンの街を奪還するよう命じられる。街の入り口でドイツ軍の激しい抵抗に遭ったE中隊は前へ進めない。ウィンターズは、そんな中隊の先頭に立ち、果敢に街に攻め入る。カランタン陥落かと思われたその時、ドイツ軍の迫撃砲がカランタンの町ごとアメリカ軍を襲う...。

Silky
第3話の主役は、ブライス二等兵でした。第3話は、全体として戦地の兵士の不安やストレスが表現された回となっていましたね。

ブライス二等兵の、1次元、別の世界にいるようなブライス二等兵の不可解な行動は、戦争で精神を病む人の姿を映し出したものなのでしょうか。ボーッと空を見上げる意味も、突然失明する症状も、平和な場所でしか過ごしたことのない私に、「理解できる」とは言えません。ですが、戦争に行った兵士の多くがPTSDを発症し、平和な祖国に戻った後もろくに働けなくなるという話はよく耳にします。

ところで、E中隊が小休憩中にドイツ軍に攻撃され、最強戦車タイガーまで出てきた時。あのピンチを救ったアメリカ戦車のシャーマンはカッコよかったですね(45:20あたり)!

というか、シャーマンに乗っている人達、渋すぎ!表情一つ変えずに、淡々と敵軍を撃つんですから。私の推測ですが、あの方達は本職の軍人さんではないでしょうかねぇ。役者さんにしては、落ち着きがありすぎです。

前哨 (AP / Aadvance(d) post)

軍隊が敵地の近くに停止するとき、警戒のために停止地点の前方に配置する部隊をいいます。
※第3話では、休憩中のE中隊がドイツ軍から攻撃を受け、「前哨を呼べ」と叫ぶシーンがありました。

第4話 補充兵の苦悩

今度はオランダに降下したE中隊。オランダの町、エイントフォーヘンに入ると同時に、オランダ市民から大歓迎を受ける。E中隊は、オランダ市民の協力を得て、エイントフォーヘンの先にある橋をドイツ軍から奪うことを試みる。橋の確保に向かう途中の村、ドイツ兵は戦車タイガーを潜ませてアメリカ軍を待っていた。たまらず退却するアメリカ軍。ブル軍曹を1人、村に残して…。

Silky
第4話の主人公は、みんなの兄貴ブル・ランドルマン軍曹でした。ウォーキング・デッドのファンなら泣いて喜ぶ回です。ウォーキング・デッドでのエイブラハム同様、バンド・オブ・ブラザースでのブル軍曹も、E中隊の最強兵士であると同時に、仲間思いの優しい兄貴分でした。軍人役をやるために生まれてきたような男ですよね。

ブルに優しくしてもらった補充兵が、危険を承知でブルを救出しに行くと手をあげた時は、涙が出ました。このドラマ全体がそうなのですが、「生きている限りは仲間を助ける」ことに全力を尽くすんですよね。仲間3人が無傷のまま仲間1人が死ぬことよりも、仲間3人が大けがをしてでも仲間1人を助けることを選ぶんです。戦争を共にした仲間との付き合いは一生続くことが多いようですが、理由が分かる気がします。

認識票 (Dog Tag)

ブルが、死んだ補充兵の首からシルバーのペンダントを外すシーンがありました。あのペンダント・トップは、兵士の認識票(Dog Tag)というもので、兵士の氏名や所属などが刻印されています。

兵士は通常、認識票を2枚ずつ身につけます。戦死した場合、1枚は回収され戦死者の名簿管理に用いられ、もう1枚は、誰の遺体か判別するため遺体に着けたままとされます。

余談ですが、徴兵制度のある韓国でも訓練中はこのDog Tagを支給されるそうです。地獄のような(友人曰く)訓練を終えた後も、厳しい訓練を乗り越えた記念として、一生大切にとっておく人が多いようです。

第5話 指揮官交代

E中隊の次の任務は、オランダのライン川沿いに潜伏するイギリス兵の救出をサポートすることだった。敵はドイツ軍の中でも精鋭と言われる親衛隊(SS)だ。作戦は成功したものの、E中隊からはまたも死者が出た。ウインターズは、報告書を作成しながら、戦闘中に殺した若いドイツ兵に思いを致す。

その苦悩とは裏腹に、ウインターズはまたも昇進を遂げる。E中隊の指揮を離れ、大隊の副長として大隊を率いる中佐を補佐することになった。以後、E中隊はハイリガー中尉が率いることとなる。ハイリガーは見事にイギリス兵救出作戦を成功させた。ウインターも信頼を寄せるハイリガー中尉だが、思わぬことで戦線を離れることになる。

Silky

第5話は、トム・ハンクスが監督をした回です。

いつの間にか、ウインターズが大尉になっていましたね。ちなみに、ウインターズの親友ニクソンも大尉です。可哀想なハイリガー中尉の後任はダイク中尉というヤツで、ハイリガーとは異なり全く役に立たない男です。

この後、E中隊は最も苦しいバストーニュの戦いに入っていきます。次の第6話は、衛生兵のユージーン・ロー(別名:ドク)が主人公の話になります。

第6~10話の解説と感想は、明日を予定しています。
まだバンド・オブ・ブラザースを見たことがない方は、是非この機会にご覧下さい。

スポンサーリンク

関連記事

バンド・オブ・ブラザーズ 配信状況

バンド・オブ・ブラザーズは本国アメリカでシーズン1まで放送されています。シーズン2は制作されていませんが『The Pacific』という対日戦を描いた作品があります。バンド・オブ・ブラザーズの日本国内の配信状況は、こちらのバンド・オブ・ブラザーズ配信スケジュールでご確認ください。

おすすめの記事